第 3718 号2020.04.26
「省略しない「思いやり」」
オリオン(ペンネーム)
私が学生世代に接客のアルバイトをしていた時のこと。
お客様に「いらっしゃいませ」とお声がけすると、 微笑んで会釈してくださる方がいれば、 黙って素通りされる方がいました。
また、お会計の際「ありがとうございました」と お声かけると、笑顔でお礼を言ってくださる方と、 黙ってお釣りや商品を受け取る方がいました。
どちらが「正しいか」というお話ではありません。
長時間の立ち仕事で疲れていた私にとって、 その「笑顔」や「ありがとう」というたった一言が 大きな力となり、「嬉しかった」というお話です。
例えば、込み合う店内や駅のホームにおいても 同じです。
荷物が相手に当たってしまったり、身体がぶつかって しまうことが、たまにあると思います。
そんな時、私は「すみません」と素直に言える人でありたいと思いま す。
そして、もし相手の方が謝ってくださった時には笑顔で「大丈夫です よ」と安心させてあげられるような、そんな人に。
言わなくても怒られない、どうせもう会わないだろう、と思うと、ど うしても省略しがちになる「ありがとう」や「すみません」。
でも、その一言で救われたり、気持ちよくなる人のほうが、多いので はないでしょうか。 言葉で伝えた方が、自分も気持ちがすっきりします。
ただすれ違うだけの人でも、それはきっと、小さな出会い。
「思いやり」は省略せずに、伝える人でありたいです。