第 3703 号2020.1.12
「元気をくれるあいさつ」
三木 玲奈(ペンネーム)
肺を患って酸素ボンベで通勤するようになって二年、行動範囲もだいぶ広くなった。
朝七時に家を出て、近くのコンビニに入り店員さん達に手を振る。顔見知りの店員さんがいつもの昼ご飯、ミックスサンドとみかんゼリーを持ってきてくれる。支払いを済ませ、身支度をしていざ出発だ。 「いってらっしゃい」の声に送られて元気よく店を出る。 さあ次は交番だ。私の家は駅の西口にありエレベーターで東口に行く。まず、西口交番のお巡りさんにあいさつすると、敬礼で応えてくれる。エレベーターを降りると、シルバー人材センターの人達が駅を掃除している。「行ってらっしゃい。気をつけて」と声をかけてくれる。 東口エレベーターを降りると、今度は東口交番にさしかかる。 あいさつをするとこちらも敬礼で応えてくれる。 東口からバスに乗って会社に行く私は、バスターミナルまで十分ほど歩く。駅前のビルをモップで拭いているおばさんに声をかけると、「おはよう。今日も寒いわね。気をつけてね」とにこにこ顔の返事がくる。その笑顔は太陽のようだ。 バスに乗って会社に着いても、会社はまだ閉まっている。でも近所の人達が散歩をしばがら「今日も早いね」と声をかけてくれる。 八時少し前、近所の幼稚園バスが通りかかる。大きく手を振ると、先生や園児達がにこにこと手を振ってくれる。私の幸せなひとときである。 さあ、今日も一日頑張ろう!いろいろな人のあいさつが私に元気をくれる。こうして私は重い酸素ボンベを抱えながら日々の仕事を始めることができる。ありがたいことではないか。